事例集

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具体的な解決事例

家族信託は様々な事例に対応可能ですが、具体的なイメージをつかんで頂けるように、代表的な事例をご紹介しましょう。

事例-1 認知症対策

  • ・Aさんの父は数年前に亡くなり、母は父から相続した自宅(土地建物)で一人暮らしをしています。
  • ・母は最近になって体も衰えてきており、また少々物忘れも増えてきた為、高齢者施設への入居を考えています。
  • ・施設の費用は、母の年金と不足する分は母の貯蓄で支払う予定です。
  • ・母は施設へ入所した後もたまには自宅に帰りたいし、年に数回ですが親戚が集まることもあるため自宅は売却しない考えでいます。

上記のケースで何も対策しなかった場合

  • ・施設代により母の貯蓄が減り、年金だけでは施設代が不足することになったり、母が大きな手術をすることになったりしたときに大きな費用がかかることも予想されます。
  • ・だんだんと母の判断能力が衰え、最終的に認知症になった場合には、施設代や手術費用を捻出するため、自宅の土地建物を売却したいと思っても簡単に売却はできません。
  • ・成年後見制度を利用すれば自宅の売却は不可能ではありませんが、裁判所による後見人の選任および居住用不動産処分の許可を受けるまでに相当期間を要することになり、 手続きが終わるまでは何も手が付けられず施設代や手術費用などはAさんが立て替えて捻出しなければならなくなります。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このように信託契約を設計することにより、受託者であるAさんが自宅を管理・処分する権限を持つことになりますが、受益者である母親は施設に入所した後も時々自宅に帰ることもできますし、お盆などに親戚が集まる場所として自宅を利用することもできます。
もし、その後に母が認知症によって意思判断能力を喪失した場合でも、信託契約の定めにより、いざというときにはAさんの判断で受託者として母の自宅を売却などの処分ができるようになります。
成年後見制度を利用した場合のように裁判所の手続きで何か月も待たないと売却できないという事態を回避することができます。 また、信託された自宅の売却代金は当然に信託財産となり受益者である母のものですので、その現金の管理をAさんが行い、施設代や手術費用など母のために有効的に使うことができます。
そして、母が亡くなったときに信託が終了し、残余財産の帰属先(帰属権利者)をAさんと定めておけば、残った現金はAさんが取得することになります。
このように、家族信託を活用することにより、生前の財産管理・処分をスムーズに行うことができ、また遺言と同じ効力を持たせることが可能となります。

事例-2 子がない夫婦の資産承継(先祖代々の土地を守りたい)

  • ・夫Aさんは妻Bさんと夫婦で、Aさんの家系で先祖代々受け継いできた自宅で一緒に暮らしています。
  • ・夫Aさんと妻Bさんの間には子はいません。
  • ・AさんはBさんに、自分が死んだ後はこの自宅にてゆっくりと安心して老後の生活を送ってもらいたいという思いがあり、自宅のほか遺産のすべてを妻Bさんに相続させたいと考えています。
  • ・一方、Aさんは、先祖代々受け継いできたこの自宅の土地建物は、Aさんの家系で受け継いでいきたいとの思いもあり、Bさんが亡くなったらこの土地建物はAさんの弟の子Cさんに承継してもらいたいと思っています。

上記のケースで遺言を利用した場合

  • ・Aさんの遺言では、妻Bさんに相続させるという指定はできますが、Bさんが死亡したときの相続についてAさんが指定することはできません。
  • ・Bさんが死亡したらBさんの家系(Bさんの兄弟など)に財産が相続され、先祖代々受け継がれてきた土地がAさんの家系のものでなくなってしまいます。
  • ・妻Bさんは相続した土地建物を自由に売却でき、売却で得た金銭をすべて使ってしまうこともできてしまいます。
  • ・最終的に弟の子Cさんに承継させるには、妻Bさんが「Cさんにこの土地建物を遺贈する」という遺言が必要になりますが、その内容の遺言を書いてもらえるかどうかは確実ではありませんし、 仮に書いてもらったとしてもBさんはいつでもその遺言を変更・撤回できてしまいます。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このように信託契約を設計することにより、先祖代々受け継いできた自宅土地建物は受託者が管理することになりますが、信託契約の定めに従って受益者である妻Bさんは亡くなるまでずっとこの自宅で老後を過ごせることになります。
また、信託契約で、妻Bさんが亡くなった場合に信託が終了し、信託が終了した際の残余財産の帰属先(帰属権利者)をAさんの弟の子Cさんと定めておけば、 最終的にAさんの家系で代々受け継がれてきた土地はAさんの家系である弟の子Cさんが承継することになります。
このように家族信託を活用することにより、「遺言」では実現できなかった2次相続以降の承継先まで指定することが可能となります。

事例-3 前妻との間に子がいる場合の資産承継

  • ・夫のAさんは再婚しており、後妻のBさんと暮らしています。
  • ・AさんとBさんの間に子はいませんが、Aさんは離婚した前妻との間の子Cさんがいます。
  • ・Aさんは、賃貸不動産を所有しています。
  • ・Aさんは、自分が死んだあとはこの賃貸不動産をBさんに相続させ、賃貸収入によって不自由のない生活を送ってもらいたいと思っています。
  • ・Aさんは、後妻Bさんが亡くなった場合には、この賃貸不動産を前妻との間の子Cさんに承継させたいと思っています。

上記のケースで遺言を利用した場合

  • ・Aさんの遺言では、後妻Bさんに相続させるという指定はできますが、Bさんが死亡したときの相続についてAさんが指定することはできません。
  • ・Bさんが死亡したらBさんの親族(Bさんの兄弟など)に財産が相続されてしまいます。
  • ・Bさんは相続した賃貸不動産を自由に売却でき、売却で得た金銭をすべて使ってしまうこともできます。
  • ・最終的にCさんに賃貸不動産を承継させるには、Bさんが「Cさんに財産を遺贈する」という遺言が必要になりますが、その内容の遺言を書いてもらえるかどうかは確実ではありませんし、 仮に書いてもらったとしてもBさんはいつでもその遺言を変更・撤回できてしまいます。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このように信託契約を設計することにより、賃貸不動産は受託者が管理することになり、賃貸不動産から得られる賃貸収入は信託契約の定めに従って受益者である後妻Bさんに渡ることになりますので Bさんはこの収入により不自由のない生活を送ることができます。
また、信託契約で、後妻Bさんが亡くなった場合に信託が終了し、信託が終了した際の残余財産の帰属先(帰属権利者)を前妻との子Cさんと定めておけば、最終的にこの賃貸不動産はCさんが承継することになります。
このように家族信託を活用することにより、「遺言」では実現できなかった二次相続以降の財産の承継先まで指定することが可能となります。

事例-4 障がいを持つ子の生活保障(親亡き後の問題)

  • ・Aさんと妻Bさんの子Cさんは重い障がいを持っており、ひとりで生活していくのは困難な状況です。
  • ・Aさんは、自分と妻が亡くなった後の子Cさんの生活保障について心配をしています。

上記のケースで何も対策しなかった場合

  • ・AさんとBさんが共に亡くなった場合、親の財産は子であるCさんが相続することになりますが、Cさんは自分で財産を管理することが難しく、その後一人で生活していくこともできません。
  • ・Cさんは重い障がいもあり、結婚したり子を設けることは困難だと考えられ、将来Cさんが亡くなったときには相続人が一人もいないことが予想されます。 そうなると、Cさんが亡くなったときには両親が遺してくれた財産が最終的には国庫に帰属することになります。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このように信託契約を設計することにより、Aさんが亡くなった場合、Aさんの財産は、受託者の管理のもとで妻Bさんに承継されることになります。
妻Bさんは、信託契約の定めに従って、自身の生活費及び子Cさんの施設費などを受託者(親戚など)から受け取ることができます。
もちろん、Aさんの財産を2種類に分け、一部を信託財産として、他の信託財産から除外した財産(例えば現金)については遺言によって妻Bさんにそのまま相続させ、 除外した財産は受託者に管理させることなくBさんが自由に使えるように設計することも可能です。
その後、妻Bさんも亡くなって、子Cさんが一人になってしまった時には、第3受益者のCさんのために受託者が信託財産を生活費・施設費などに使っていくことになります。 そして、Cさんが亡くなったときに信託が終了し、残った信託財産は親戚や施設に受け取ってもらうように定めておくことができます。
このように、家族信託を活用することにより、障がいを持つ子の親亡き後の生活保障を確保することができ、最終的に残った財産についても国庫に帰属させるのではなく、 お世話になった親戚や施設などへのお礼としてお渡しすることも可能となります。

事例-5 不動産が何人もの共有となっている場合の対策

  • ・Aさんは、親から相続したオフィスビルを兄弟姉妹5人で共同所有しています。
  • ・Aさんは、このオフィスビルについて何かしようとする度に5人の署名・押印などが必要となり、兄妹のうち遠くに住んでいる者もいるため面倒だと感じていました。
  • ・Aさんをはじめ共有者全員は、あと数年はこのオフィスビルによる賃料収入を得たいと思っていますが、古くなってきたこともあり売却することも念頭に置いています。
  • ・兄弟姉妹は皆高齢で、体も衰えてきた感があり、以前より物忘れも多くなってきている者もいます。

上記のケースで何も対策しなかった場合

共有者のうち一人でも認知症を発症するなどして意思判断能力が失われると、オフィスビルを売却することがすぐにはできなくなってしまいます。 また、売却できないうちに共有者の誰かが亡くなり相続が発生すると、さらに共有者が増え話がまとまらなくなる可能性が高くなり、売却自体が困難になる可能性があります。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このように信託契約を設計することにより、Bさんは受託者の権限によってこのビルの管理や処分を行うことができるようになり、またAさんを含む兄弟姉妹については受益者としてこのビルから発生する賃料を受け取ることができます。
もしこの先Aさんの兄弟姉妹のうち誰かが認知症などによって意思判断能力を失ったとしても何の影響も受けません。
例えば、いつかこのビルを売却することになった場合でも、売買契約の当事者は受託者のBさんなので、その時点で誰かが認知症などになっていたとしても売却について後見人の申立てなどをすることなく売却の手続きがスムーズに進みます。
また、売却しない場合でも、新たな賃借人との賃貸借契約やビルの修繕に関する契約について受託者であるBさんに権限が集中することになるので、 これまでのように共有者である兄弟姉妹全員の協力を得ることなくビルの管理・運用ができ、財産としても保有し続けることができます。
このように家族信託を活用することにより、不動産の共有問題を解決し、スムーズな管理・運用・処分を行うことが可能となります。

事例-6 中小企業の円滑な事業承継(相続や遺留分による株式の共有・分散を回避)

  • ・Aさんは、株式会社Xの創業者であり、この会社の株式を100%保有しているオーナー社長です。
  • ・Aさんには、長男・長女・二男の3人の子がいます。
  • ・Aさんは、この会社の後継者は二男のBさんにしたいと考えています。
  • ・Aさんの資産のほとんどは会社の株式であり、株式以外で長男・長女の遺留分を確保するだけの資産はありません。

上記のケースで何も対策しなかった場合

  • ・Aさんの相続が発生すると、遺留分によって長男と長女にも株式が相続され、株式が共有となったり分散したりして、後継者であるBさんの会社経営に支障が出る恐れがあります。
  • ・遺言書があったとしても遺留分の問題は残りますし、遺言書がなかったとしたら遺産分割協議がまとまらない場合には、会社の運営が事実上できなくなる恐れもあり、経営上の空白期間が生じてしまうかもしれません。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

遺言の中でこのような信託を設定しておけば、Aさんが死亡した場合には、Bさんは受託者として株式の名義人となりますので、Bさんに議決権を集中させることができ、Bさんが実質的にオーナー社長として会社を運営していくことができることになります。
一方、長男と長女には遺留分相当額の受益権を持たせることで遺留分の問題を解決させ、長男と長女は会社の経営には関与せずに株式の配当のみを受け取ることになります。
このように家族信託を活用することにより、遺留分による株式の分散を回避して、会社の経営権を後継者に集中させることが可能となります。

事例-7 会社使用の不動産(親の個人所有)の管理・承継

  • ・Aさんは、X株式会社のオーナー社長であり、Aさん個人所有の不動産をX社に賃貸しています。
  • ・Aさんには3人の子がおり、後継者には長男になってもらいたいと考えています。
  • ・X社の株式を後継者とする長男に相続させた場合、この不動産以外には、他の兄弟に相続させられる財産はほとんどありません。

上記のケースで何も対策しなかった場合

  • ・Aさんの相続が発生したときに、長男にX社株式のすべてを相続させた場合、長男以外の相続人にはX社に賃貸している不動産を相続させる必要がでてくるが、 この不動産を相続した相続人たちと仲違いが起きた場合など、X社は賃貸借契約が継続できなくなりこの不動産を使用できなくなる恐れがあります。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このように信託を設定しておけば、実際に不動産を使用しているX社が自ら受託者としてこの不動産の管理を行うことができ、賃貸借契約も受託者としてのX社と賃借人としてのX社で継続することになりますが、 その賃料についてはこれまでどおりAさんが受け取ることになります。
その後Aさんが死亡しても受託者のX社と賃借人としてのX社との賃貸借契約は継続し、その賃料については二次受益者として長男(後継者)以外の相続人が受け取ることになり、相続分や遺留分の問題も解決できます。
X社としては、受益者に賃料を支払っている限りは、基本的に賃貸借契約を継続することができなくなる事態を防ぐことができます。
また、X社の株式についてはAさんが別途遺言書で後継者である長男にすべて相続させるといった内容にしておけば、株式が分散されることも防ぐことができます。
このように家族信託と遺言を併用することも可能です。
家族信託と他の制度も併用した設計によって、様々な状況に応じた資産承継を行うことが可能となります。

事例-8 経営権を保持したまま後継者に株式を贈与

  • ・Aさんは、甲株式会社の創業者で自社株を100%保有しているオーナー社長です。
  • ・甲社は、今期の業績が芳しくなく純資産がマイナスとなっています。
  • ・Aさんは、自社株の評価が低い今のうちに現時点で後継者に予定している長男に自社株を生前贈与したいと考えていますが、まだ引退するつもりはなく、代表権も当分は自分にしておきたいと思っています。

上記のケースで何も対策しなかった場合

贈与税が少なくて済むからということで現時点で自社株を長男に贈与する場合、実際には長男が会社を継ぐことができない事情が生じたり、後継者には相応しくない言動が多くなったりして、 後々になってやはり後継者には二男をと思っても、自社株を長男から二男に移すことは困難です。
また、もう少し時期を見て贈与した場合に、業績が回復していて株価が上がっていると多額の贈与税が課税されることも考えられます。

家族信託(民事信託)を活用した場合

例えば、下記のように信託契約を締結します。

事例

このようにAさんが自己信託をすることによって、自社株の議決権は引き続きAさんが行使することができ、実質的に会社の経営権を残したまま、株式を後継者の予定である長男に贈与することができます。
この自己信託時に株価の評価が付かなければ贈与税の課税なしで株式の承継ができることになります。
また、後々長男が後継者に相応しくない事情が出てきたとしても、信託の内容として、Aさんに受益者指定権(変更権)を持たせておくことによって、Aさんがそれを行使して受益者を二男に変更することも可能となります。
このように自己信託を活用して、株式を受益権として子に生前贈与し、受益者指定権を親自身が保有することによって、後々の状況変化を想定して対応策も持ちつつ生前贈与をすることが可能となります

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